2009-06-18

アメリカが実用化した「オーロラ」とMHD魚雷

テクノ・ギークならびに軍事オタクのみなさん、チマタでは、中国が空母を持つとかアメリカ空母を一発でしとめるとか、中国の軍拡と軍事的脅威について騒がしくなってます。しかしながら私は、このブログの以前のエントリーで、どうせ中国はかつての日本のように引っ掛けられて無理やり対戦国にされ、ついでにメタ負けしちゃうだろうと予想しました。また、「『彼ら』は同じ八百長を繰り返す?」の中で、同国の最新兵器についての私の認識は、核兵器の威力はホンモノだとしても、劣化コピーのデッチアゲで張子のトラという感じだ、と書きました。

「宇宙人ユミットからの手紙」のプチ氏による別著書、「{アメリカが盗んだ}宇宙人ユミットのプラズマ科学」によると、アメリカと中国との軍事テクノロジーの差は、そんな私が考えていたことなんかよりさらに桁違いに大きいようです。今回は、理論物理学者のプチ氏が先鞭をつけていたMHD(磁気流体力学)を応用した超高速で飛んだり走りまくったりする、ほとんど知られていないか、まったく知られていないちょーハイテク兵器について紹介してみましょう。そうです、90年代の日本でも、世界初の超電導電磁推進船の「ヤマト」なんてのが建造されたのを覚えてるでしょうか?

この本の「プロローグ 地球外起源科学と超国家戦略の見えざる交差」の冒頭で、2001年の初めにイギリスで開かれた「先端的推進装置」に関する学会に出席したプチ氏が、アメリカの「ブラックプログラム」の重要なメンバーに出会って、アメリカは1980年から、すでに時速2000km/h以上で航行するMHD魚雷を所有し、時速10000km/h以上で高度60kmを飛行する極超音速機の「オーロラ」を所有しているという、とんでもない(ややこしいけど、「トンデモ」ではないはずの)情報を得たとしています。そしてロシアにも、頓挫した「アジャックス」と呼ばれる似たプロジェクトがあったとします。
オーロラ(Aurora)、マッハ6の最高機密戦略偵察機?

ということですが、このあと同書に紹介されているブツで、軍事オタクのあなたならもう知ってるでしょうけど、スーパーキャヴィテーション魚雷のことは比較的知られているようですね。魚雷のノーズから高温ガスを噴射してキャヴィテーション効果を得るらしい。同書には数ヶ月前に起こったというロシア潜水艦の事故と、その魚雷についての記述があったんです。ググったら、その日本語記事(以下参照)がありました。以下の写真は、その魚雷である「スコール」です。この技術では、400500km/hの速度が可能だとしています。

スーパーキャビテーションは流体力学で説明される効果の一種で,物体や船体が高速の流体中を動くとき,その背後に水蒸気の泡が生じることによって起きる。物体が気泡に絶えず包まれると,表面の大部分が濡れないまま保たれる。この結果,水の粘性によって生じる摩擦抵抗が劇的に減り,速度を上げられる。かつて航空分野でプロペラ機がジェット機やロケット,ミサイルへと進化したように,海の戦争もスーパーキャビテーション技術によって一変する可能性がある。
謎の新兵器 超音速魚雷

スコール(Shkval)

Super Russian Torpedo Revealed(参考)

しかしながら、ロシアは同魚雷をすでに中国にも売り飛ばしたようです。だいたい当時の日経サイエンスに記事が載るくらいなら、もう最新秘密兵器とはいえないんでしょうね。そのあとプチ氏は、それならロシアにはもっと速い魚雷があるはずだし、アメリカも同じようなブツを持ってるにきまっちょる、と続けて言ってます。そして同書には、その「もっと速い魚雷」について、以下のように書かれています。

この速度を超える唯一の方法は、海水ではMHDを使って魚雷の側面と前面に取り込んでいくことだ。どうやってか。解決法はいくつかある。基本的な推進はロケットによるものであろう。そこにおそらくはMHD発電機がついて、パイプから排出されるガスの運動エネルギーを電気に換えるのである。この電力が磁化装置と魚雷の全長にわたって設けられた電極を組み合わせたシステム、つまり「頭頂部加速器」の電源として用いられるのだ。その結果、周囲の海水は強力に内部に引き込まれていく。この装置だとどのくらいの速度が可能になるのだろうか。

そしたら、「先端的推進装置」学会で会った、NASAの特殊プロジェクトで働いているという、ジョー・ブラック(「ジョウダン」・ブラックの間違いじゃない?)と自己紹介した人物がなぜかMHD魚雷のことをバラしたがっちゃって、プチ氏にそっと教えてくれたことは、アメリカの魚雷はまさにこの火薬推進システムに連結された発電機の電気で機能する。MHD頭頂部加速器で「牽引」されていると語った。第三の加速部にはロケットが用いられ、残りは海水を切り裂くことで支持されながら機体の「牽引」をになうMHDシステムに集中していくという、ことだと記述されてました。


このあとプチ氏がスピードがどれくらい出るの?と聞くと、1980年の時点で時速2000km/h出たんだよ、とブラック氏が応えます。で、磁場のことを聞くと、1980年の時点で10テラスほどだけど、今は秘密なんだな、としちゃう。さらに、水面から深度1000メートルまでの1100気圧まで機能するように、パイプ(推進ノズル?)は可変構造になっていると話す。MHD発電機のエネルギーはどうなるか?と聞くと、ロケットの粉末火薬にセシウムを少々加え、3000度くらいのガスにして(伝導率が良い)、数秒間機能させればオッケーなんだと言う。
MHD US torpedo(参考)

以上を読んで私はタマゲました。どだい2000km/h以上で水中を走るなら、空を飛ぶアスロックなんていらんな、と。ついでにここで脱線すると、魚雷の開発に協力するつもりはなかったものの、プチ氏は自分が始めたMHDの研究(1977年に「頭頂部加速器」を考案)を、ボンクラなフランス政府が評価せずにボツにしてしまい、知らん顔をしてプチ氏の仕事を継続していたアメリカにしてやられちゃったことを嘆いているみたいです。そんで、じゃあ日本はどうなんだ?「ヤマト」プロジェクト以降のことは?と、私は思ってググってはみたけど、なにも出てこないみたいです。やっぱ日本政府もボンクラなんかな?それとも秘密でやってるんでしょうか?

しかしながら、フランス政府はボンクラでもなかったことが書かれていました。同書によれば、フランスの軍も政界もMHDの可能性に興味を持ってはいたけれど、もしプチ氏の仕事を認めれば、彼の仕事・研究の元になっているユミットのUFOテクノロジーを認めることになり、ひいては、当然その先に起こるであろう反響・議論(ETの存在)を極端に恐れたことによるらしい。まあ、このあたりは、アタマの硬いあなたでも理解できると思います。それでプチ氏をプロジェクトからはずした上で研究を継続しようとして失敗したらしい。

もうひとつ興味深い記述があったので紹介しておきましょう。それはMHDの潜水艦への応用です。すでに書いたように、時速20003000km/hで魚雷を航行させるために発電機を数秒間動かすということで、その冷却には液体ヘリウムを使っているとしてますが、そんな高速が必要ないなら、原子力からエネルギーを得るMHD原潜を建造することは可能なようです。つまり現行の攻撃型原潜の45倍の速度が出るブツです・・・・ということは、アメリカは水中で百ノット以上出せる原潜をすでに持っているのかも。

次はこのエントリーと関係のない話になるけど、昨夜、TV ONにしたままエントリーをカキカキしてたら、当ブログで何回か触れたことのあるルスィアーナ・ジメーネス(モデルでミック・ジャガーの娘)の番組、「スーペルポッピ」で、例のマヤ暦をネタにした2012年に起こるとされているカタストロフィー議論を、参加者が口角泡飛ばしてやってたんです。で、バカバカしいのですぐに切ったんですね。その前日には、ひさしぶりに我がアミーゴとチャットしたとき、新型インフルのことを聞かれたあと、なんと!ジュッセリーノの、温暖化によって気温が60何度かに上昇するというのはホントだろうか?って聞かれたんです。

それで私は、アホか、2年前にやつのイカサマについてブログで書いたし、背後でCIAがコントロールしてるかもしれないんだぞ、と話したんですが、考えてみれば、ブラジル人はジュッセリーノのことについて知らない人間のほうがむしろ多い。それで、これもひさしぶりに、ジュッセリーノ大センセイのサイトを覗いたら、相変わらず閉鎖されることもなく逮捕もされず、エール・フランスのエアバス機墜落予知など、元気にウソ八百ならべてる。それに、私がアミーゴたちに、例えば「寒冷化」のことを話しても、彼らの教育水準が高いにもかかわらず、太陽の黒点についての知識もない。むしろ週一回買出しに行くフェイラ(朝市)のニイチャンのほうがよっぽど理解力があるようです。

他にも昨夜のTVニュースで、ブラジルでも新型インフルのヴィールス分離(変異種)に成功し、ワクチンの大量製造にとりかかる準備を進めるということでした(ワクチンの危険性については、タミフルのことと一緒に我がアミーゴたちに話したばかり)。頻発する異常気象もすべて温暖化のせいだといった感じで、こちらの混沌社会では、「彼ら」のたぶらかしに関しての情報がむしろ日本より少ないんです。で、なにが言いたいのかというと、つまり、こちらでも「彼ら」の情報操作は大成功しており、じきになんか起こりそうだと・・・・

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