2007-06-05

21世紀に大変革は起こるか?-26

トランス・ヒューマニズム:
タグ、「食事と医療の大改革」に話を戻します。「老化現象は病気の一種に過ぎない。病気であれば、その治療や予防も十分可能になる」、という考えの「トランス・ヒューマニズム」という言葉を私が知ったのは、「文芸春秋」にあった浜田和幸氏の記事、「寿命百五十歳時代がくる」でした。これを読むと、「グレイ博士らトランス・ヒューマニズムの活動家らは『寿命五千年時代』を真剣に思い描いている」、という記述がありました。

そしてこの記事では、世界の著名なバイオ研究者や老人学専門家の20%が、「2100年までには百五十歳を超える高齢者が誕生している。また、2100年に生まれた赤ん坊の平均余命は200歳を超えているはずだ」、と答えたとしています。

さらに、トランス・ヒューマニズムの活動家たちが、「『寿命五千年時代』を真剣に思い描いている」そうです。「21世紀に大変革は起こるか?-16」においても登場してもらったグレイ氏が、この時点で人間に千年の寿命としたのを引用しつつ、それにさえタマゲていたら、今度は5000年ですと!?まったく、人類の欲という情念には、きりってもんがありゃせんな。はたして次は1億年なんでしょうか?私は極めて控えめな性格なのでムリをせず、大豆食と「太陽直視」によって、とりあえず(予定どうり)150歳を目指すことにしておきましょう。
<トランスヒューマニズム(その3)>

ただしこの記事をもう少し引用すると、「歴史の終わり」で有名なフランク・フクヤマ氏が、「トランス・ヒューマニズムは、世界でもっとも危険な思想だ」、と断言しているそうです。

というわけで皆さん、もう以下の記事をチェックしましたか?上の文春の記事で紹介されていた、レスベラトロルの最新情報というところでしょうか。このなかで、「老化を遅らせる真のテクノロジーは30年かそこらで登場するだろう。しかし、それを有効に利用するには、それなりに健康な状態でいる必要がある」。そして、「そのころ私は62歳だ。30年後の健康状態を良くするために今できることがあれば、やらなければならない」、という記述があります。

米食品医薬品局(FDA)によって禁止されてしまった、ヒト成長ホルモンなどと同様なことが起こる可能性があるため、とりあえずでもレスベラトロルを使用して若さと健康を保ち、近い(30年後?)将来、より完成されたアンチエイジング方法が実現されるまでの暫定手段にしょうという考えのようです。
長寿を求めて人体にハッキングする人たち

それにしてもITの出身者たちが研究の主要メンバーとして活躍するというのは、とても興味深いことですね。ところで成長ホルモンといえば、最近のニュースによると、俳優のシルベスター・スタローン氏がオーストラリアに持ち込もうとして捕まりました。スーパー・ヒーローや美しいヒロインが老いるわけにはいかない?ハリウッドでは、すでに流行なんでしょうか。

たしかナントカという女優も用いているといったウワサを聞いたことがあるような。私はなんとなく思うんですが、人工的な薬物によって解決しようとするのは、対象が生物に替わった現代の錬金術のような感じがして、いずれ挫折するような気がします。要はアプローチが間違っているのではないでしょうか?
スタローン、成長ホルモン持ち込みで220万円の罰金 - オーストラリア

ついでに「WIRED VISION」で、このタイトルにもうひとつ関連する記事がありました。おなじみ世界の混沌の元となる「七つの原罪」、すなわち人間の過剰な情念をコントロールできるテクノロジーを持つ日が、また一歩近づいたかもしれませんね。
脳をパルス磁場で刺激して鬱病を治療

話は変わりまして、ベネズエラのチャーベス大統領がとても意気軒昂です。チャーベス氏が強制的に閉鎖したベネズエラのTV局、RCTVの再開要請を決議したブラジル議会(上院)に対して、「ワシントン(アメリカ議会)の言うことを繰り返すオウムだ」、とモンクをつけたのです。アミーゴになりそこねて久しいブラジルのルーラ大統領は、遠く離れた訪問先のインドから、ムイ・アミーゴ(スペイン語で良い友達の意味だが、しばしば皮肉で使う)であるチャーベス氏へ、ノーコメントながら不快感を示していました。

やはりチャーベス氏は、中国の偉大な政治的、経済的成功にいたく感銘を受け、当国の政治モデルをコピーするべく準備を進めていると思われます。ここで私の興味は、中国がロイヤリティーを請求するかどうかですね。ベネズエラが石油で払うということも考えられますし。なおRCTVは、「You Tube」を介してブログラムを配信再開しました。ビーバ・インテルネッチ!

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